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特別企画『暁と黄昏コラム』

2015/12/06 第四回


Track7「戦争の火種」

皆さんは1回目のコラムでご紹介した”デイジーとパンジー”を覚えていらっしゃるでしょうか?
そう、フリンデルのお目付け役の召使です。
この曲ではその二人が主役です。
Track5で行われたフリンデルとオルニスの一部始終を見てしまいます。
「敵国の罪人と触れ合っているとは何たること!」と憤慨した二人は女王・アポリナリアに報告をします。
普段は温厚なアポリナリアもこれには大激怒。
これまで険悪な雰囲気ながらも沈黙を守り続けてきた二国のバランスがこの一件で崩れてしまいます。
何かにつけ戦争をしかけてくる目障りな国を、大義名分のもとぶっ潰そう…と決起するお話でした。

この楽曲は、仮音源で作っている時は一番いい感じだったんですけど、いざ音源を変えたら微妙な感じになってしまいました。
あと、この曲はオーケストラのような迫力のあるサウンドにしたかったんですけど、そうすると前後とのバランスがイマイチに…。
悩んだ末にいつもどおりのミックスにしたんですけど、迫力はすっかりなくなってしまいましたね。


Track8「裁判という名の死刑宣告」

オルニスを罪人として太陽の国へ召還し、裁判にかける場面です。
裁判といっても死刑は確定しています。
つまり、裁判とは名ばかりの死刑宣告なわけです。
その裏には幾多の月の国との交戦により犠牲になった者たちの恨みを晴らそう…という思いがあります。
もちろんアポリナリアは大事な一人娘を汚らわしい月の国の民に触られたと憤慨していますが。
この曲を作る上で苦労したのが、緊張感。
出だしに効果音を入れてみたり、普段は使わない音色を使ってみたり…。
その割にボカロ達の調教を頑張らなかったので、あまり努力が報われてませんが。
個人的にはフリンデルとオルニスのデュエット部分が気に入っています。
フリンデルは部屋に閉じ込められますが、これまでで培ってきた脱走力で部屋を抜け出しオルニスの元へ向かいます。
オルニスはあまりに理不尽な裁判にこれからの展開を悟り、最期までフリンデルのことだけを想い続けようと考えています。
そして、裁判所にいる全員がこう考えています。
「これから、今までにないほど大規模な戦争が始まる。
それは一体誰が望んだことなのだろう?
ただ一つだけわかることがある。
それは、この争いを止めることは誰にも出来ず、ずっと続いていくのだろう」と。
誰もが平和を望んでいるが故に、誰もが戦争も望んでいる。
誰もがその矛盾に気づいているが、誰もその矛盾を口にはしない。
理想のためにそれとは正反対の道を進むことは、現実でもよくあることですね。
そういう意味合いが込められた曲だったりします。

余談ですが、コーラスの部分「S-A-C-R-I-F-I-C-E!」つまり「生贄を捧げよ」って言ってるんですけど、一回だけ誤って「ヨス-A-C-R-I-F-I-C-E!」って言ってます。
最終チェックで全く気付かず、公開してしばらく経ってから気付きました。
これから聴かれる方も既に聴かれた方も良かったらその箇所を探してみてください!w



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