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特別企画『暁と黄昏コラム』

2015/11/15 第一回


ども、カナデミライの宮下奏子です!
現在無料配信中の『暁と黄昏』ですが、もうお聞きくださいましたか?
今回はその作品内で語られなかった裏話や設定などを、5週に渡ってお届けしたいと思います。
記念すべき第一回は、Track1「プロローグ〜太陽は輝き、月は翳る〜」Track2「ひとりぼっちのお姫様」の二曲をご紹介致します。
※このコラムは作品をお聞きくださっていることを前提に書いております。
 ネタバレを嫌う方やまだお聞きになられていない方は、先に本編をお聞きください。


Track1「プロローグ〜太陽は輝き、月は翳る〜」

実はこの楽曲、それぞれの女王の戴冠式の様子を描いています。
あらすじにも歌詞にも書かなかったので、おそらく誰にも伝わっていなかったと思いますが。
最初は太陽の国、MEIKO演ずるアポリナリア・ゾン・リヒトの戴冠式。
長きに渡る歴史と伝統を重んじる国で、アポリナリアもその習わしに従って国と名を引き継ぎます。
伝統的で荘厳な雰囲気を出したかったので、パイプオルガンのみで作っています。
この楽曲の特徴としては前奏が長い点ですが、当初はこの倍くらいの長さでした。
編曲を終わらせ最終チェックをしていたところ、あまりにも長すぎると判断し、半分以上カットしました。
なので、「前奏が長い!」と思われた方も、どうぞ心を静めてお聞きくださると幸いです…。

長い前奏と太陽の国の戴冠式が終わると、今度は月の国に舞台は移ります。
月の国ではセレネが15代目女王として国を引き継ぎます。
なぜ国民がこんなに恐れているのか?
説明しますと、先代の王・ヒュペリオンは恐怖政治を行っていた、いわゆる暴君なんですね。
その暴君が急死してしまったため、急遽セレネが引き継ぐことになりました。
セレネは父のことをとても尊敬しており、父と同じような政治を行うことを戴冠式で明言します。
そのため国民はこの恐怖政治が続くことを悟り、落胆と恐怖を嘆いていたのです。
つまり、あの楽曲は
   太陽の国の民
     ↓
   アポリナリア・ゾン・リヒト
     ↓
   月の国の民
     ↓
   セレネ
という流れでしたが、話の流れとしては
   アポリナリア・ゾン・リヒト
     ↓
   太陽の国の民
    *  *  *(※ほぼ同時期)
   セレネ
     ↓
   月の国の民
というのが正しいのです。
しかし、音楽の流れとして前者の方が自然だったために今回はあえてこのような順番にしてあります。

ちなみに太陽の国は代々女性が政権を握り、月の国は男性が政権を握ります。
しかし、セレネが頑なに結婚を拒んだために、月の国では珍しい女性による政治が行われています。

そして、楽曲の最後には赤ん坊が誕生します。
この赤ん坊こそが本作のヒロイン・フリンデルです。
戴冠式から1年後、アポリナリアは他国の王子と結婚するのですが、それは政治的駆引によるものでしかなく、愛など一切ありませんでした。
なので、アポリナリアはフリンデルの誕生を誰よりも喜び、そして溺愛します。
それはもう、本人が辟易するほどに。
そして物語はここから14年の月日が流れます。

Track2「ひとりぼっちのお姫様」

さて話は飛んで14年後。
フリンデルもすっかり大きくなり、色々なことに興味を持ち始めます。
中でも一番興味があるのは、外の世界。
前述の理由からアポリナリアは争いだらけの世界を見せることを嫌がり、フリンデルが城外に出ることを禁じます。
しかし、元来の好奇心旺盛な性格に加えてお年頃になったフリンデルが、そんな命令に大人しく従っているはずもなく…。
ただ、自分の近くにはいつもお目付け役のデイジーとパンジーという召使がいます。
そこで二人を巻く方法を考えに考え、ある日実行に移します。
どういった方法だったか、それはご想像にお任せします。

ちなみにこの曲、もともとは別の作品で使おうと思っていました。
しかし、その作品は結局企画流れしてしまい、この曲もお蔵入りしていました。
で、今回この作品を制作するにあたって、ふとこの曲のことを思い出しました。
せっかく作ったのにもったいない…ということで、見事復活を果たしました。
原曲はストリングスやパッドなど様々な音源が使われていたのですが、全体的にチープさを出すためにあえて削りました。
というのも、フリンデルの夢や憧れがこの世界にとってどれだけ愚かであるかということを暗に示したかったからです。
前半はお城の花壇を眺めながら歌っているイメージを、後半はお目付け役の二人から逃げ回っているイメージです。
そういった場景を想像しながらお聞きくだされば、より楽しめるのではないかと思います。


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