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特別企画『暁と黄昏コラム』

2015/11/22 第二回


Track3「暗い旅路」

不気味に響くカラスの鳴き声と風の音。
キラキラ明るい感じの前曲とは打って変わって、いかにも暗い雰囲気から始まります。
この効果音はかなり試行錯誤して作ったものなので、お気に入りの部分だったりします。
さて、無事にお城を抜け出し、街へ繰り出すはずだったフリンデル。
しかし、先に進めば進むほどあたりは暗くなり、気がつけば足下から道が消えています。
それもそのはず。
彼女は太陽の国と月の国の間に存在する森の中へ迷いこんでしまったのです。
なんとかお城へ戻ろうとしますが、右も見ても左を見ても帰り道はありません。
いつもは傍にいるお目付け役も今はいません。
完全にひとりぼっちになってしまったフリンデルは当てもなくふらふらと彷徨い歩きます。
そうこうしているうちに夜になり、肉体的にも精神的にも限界を迎えたフリンデルは倒れてしまいます。
意識が朦朧とし始めたその時、どこからかピアノの音が聞こえてきます。
それで意識を取り戻したフリンデルは、その音が聞こえる方へ歩いていきます。
このピアノの表現もかなり試行錯誤しました。
あまり歪ませすぎると臨場感はあるけれど何の音だかわからないし、かといってあまりに加工しないと今度は何を表現したいのかがわからない。
その匙加減は非常に難しかったですね。
あと、倒れる時の効果音も!


Track4「...lost」

この曲もTrack2同様、別の作品で使う予定でした。
その作品でイメージしていたのは、「月と廃墟とピアノ」でした。
壊れてしまった世界にたった一人残された少年が、廃墟に囲まれながら絶望している。
愛する人たちもいないこの場所で、彼の心を癒すのは月の光とピアノの旋律だけ…。
しかし、当時はどうしても納得のいく出来にならず、お蔵入りになってしまいました。
それから数年後、データをしていた時にこの曲と再会し、このプロジェクトがスタートします。
この曲がなければこの作品が生まれることはなかったでしょう。

ちなみに元々この曲の歌詞は2番まで存在していました。
しかし、2番の歌詞はこの作品に合わなかったこと、それに作品全体のバランスを考えた時にどうしても冗長であったため、泣く泣くカットしました。
あとは最後のサビの後半の歌詞も、今回の作品用に一部変更してあります。
元の歌詞にも愛着があるので、何かの機会に出せたらいいなーと思っています。



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